大学の授業のこと

大学の授業で一番影響を受けたのは、フランス文化研究の授業だ。楽に単位が取れる授業として有名だった。講師は、いつもハットを被っていて、はっきりとした二重の目が印象的な人だった。お笑い芸人に似てると揶揄されていたけれど、年齢の割にはかっこいい人だったと思う。若い頃はさぞかしモテたのだろう。

Daft PunkやJusticeなどのフレンチエレクトロや、シルヴァン・ショメのアニメーション、映画の『最強のふたり』などはこの授業で知って、好きになった。今も好きだ。

 

大学2年から4年近く付き合った彼氏も、この授業で出会った。教室の後ろの方に座っていて、黒髪マッシュ、黒ライダースジャケット、黒スキニー、SHUREのヘッドホンという格好で、ディスクユニオンの袋を持っているのを見て、この人とは話したら絶対に気が合うんだろうなあ、と思っていた。向こうもそう思っていたらしく、共通の友人を経て、知り合った。

気が合うし趣味も合うので、運命の相手だ!と思っていたけれど、あまりにもメンタルが弱い上に、働くことが嫌いな人だったので嫌になって別れてしまった。運命の相手ではなかったらしい。

 

いまの彼氏はその点メンタルがめちゃくちゃに強くて、仕事も楽しんでいるし、性格も明るくていい。趣味が合わなくても気が合う人がいるなんて学生時代は想像もできなかった。いまの彼氏のことが大好きなので、彼氏の好きな点を挙げて、と言われたらいくらでも挙げることができる。まあそんなことする相手はいないけれど。 

 

今日のこと

 

仕事が終わってから、何か普段と違うことをして充実感を得なければならないと思い立って、スターバックスに寄った。仕事終わりに朝からスターバックスに寄るというのは前々から考えていたことだけれど、スターバックスは高いし、朝からフラペチーノなんて飲んだら確実にお腹を壊すし、と色々考えた末、今まで見送っていた。期間限定のフラペチーノはめちゃくちゃに甘くて、甘党のわたしでさえも辟易する甘さだった。朝から飲んだからそう感じたのかもしれない。お腹は壊さなかった。

 

ゴールデンウィークに連休はなかったけれど、大好きな人がわたしの生まれ育った街まで2時間半かけて遊びにきてくれて、色々なところを散歩して、美味しいものをたくさん食べた。はりきって歩き回ったせいで靴擦れをしたけれど、いい天気で、大好きな人も喜んでくれて、わたしの好きな街を褒めてもらえて、幸せな一日だった。

 

異動して3ヶ月経ったけれだ、仕事に対して嫌だという後ろ向きな気持ちが止まらなくて、これではいけないと思いながらもどうしても頑張る気持ちになれない。働いて休んで働いて休んで、少し遊んで、また働いて、という繰り返しがうんざりする。一年半前は仕事が楽しくて、特段の悩みもなく、希望に溢れていたのに、同じ会社でこうも違うものかと思う。

長い休みを取って、何も考えずにのんびり日向ぼっこをして暮らしたい。

 

今日は体調がよかったので、やるべきことを色々とこなして、薬局で数年ぶりに果汁グミを買った。わたしは、グミとかガムとか飴とかを食べる習慣があまりない。チョコばかり食べているけれど、なんとなく食べたくなった。

チョコといえば、先日百貨店で北海道展をやっていて、六花亭とロイズのお菓子を6つも買った。本当はもっと買いたかったけれど、我慢した。後で、買いすぎたなと思ったけれど、まあ全部食べるしいいか、とも思う。

 

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リンパ節炎のこと

 

4月27日から首の横の部分が痛くて、なんだろうなあと思っていたら、次第に悪化して、ものを飲み込むのもつらいほどになった。ネットで調べると、扁桃腺か、リンパが腫れているようだということだった。

 

仕事終わりに病院にいった。土曜日だったので、どこも午後は診療してなくて、仕方なく、少し遠くにある総合病院、ヤブで有名で、脳卒中などで救急車で運ばれるとまず助からない、少しの病気でも儲けるためにすぐに入院させられる、と噂されるところを選んだ。

待たされるのかと思っていたら、すぐに診察室に通された。メガネをかけていて、白髪混じりの40代後半くらいの男性医師だった。マスクをしているけど、顔の上半分から判断すると、かっこいいひとだった。終始脚を組んでいて嫌な感じだった。首が腫れて痛いです、と言うと、なんででしょうねえ?心当たりあります?と聞かれた。心当たりがないからわざわざ病院にきてるというのに、とイライラした。首がぷっくりしてるというと、静脈がある部分なので、と言われた。首の静脈の場所くらいわたしだってわかる。首や鎖骨、肩のあたりを触診された。原因はわからないけど、何かの病気ではなさそうだし、痛み止めを出すので、しばらく様子を見ましょう。とのことだった。いま服用してる薬の名前を律儀に問診票に書いたのを見て、メンタルの薬ですか?と聞かれた。なぜメンタルの薬だと思ったのが不思議だった。仕事はなにをしているの?と聞かれたので、正直に答えると、ふーん、という反応だった。こういうときに、なんて答えればいいのかわからない。診察室は5分ほどですぐ終わった。1500円ほど取られた。嫌な感じの医師だった。医師はあの5分でどのくらい稼ぐのだろうか。

医師の対応にイライラしながら、調剤薬局に向かった。無料のサーバーがあったので、先程の診療費の1500円分を取り返そうと思って、レモン水を飲んだ。小さな紙コップに入った黄色い水をみて、尿検査みたいだな、と思った。そんなことを考えるわたしも小学生みたいだ。

名前を呼ばれたので、カウンターに行くと、おじさん薬剤師が対応してくれた。こちらは親切で、色々教えてくれた。首が痛い、と深刻すると、気の毒そうな表情をしていた。いい人だなと思った。治らないようであれば耳鼻咽喉科に行ってください、とのことだった。どこも医師よりも薬剤師の方が親切で色々と尋ねやすい。

 

痛み止めを飲んでも一向によくならなかったし、むしろ悪化してきて、次の日の昼に熱を測ったら37.4度だった。仕事に行けなくなると困ると考え、当番医を探した。家から5分くらいの耳鼻咽喉科が担当だったので、行くことにした。ここもあまり評判がよくない病院だったけれど、そんなことは言ってられないので、フラフラしながら病院に向かった。家を出る前に、母に、耳鼻咽喉科に行くことを伝えると、あそこの先生はは怖いから怒鳴られるよ、と脅された。怒鳴られたらいやだな、と思った。

1時間ほど待って、診察室に通された。太っていて、坊主頭の先生だった、怖そうな見た目に反して、優しい口調で丁寧な説明をしてくれる医師だった。リンパ節が腫れていますね、喉のバイキンが、下に回ってリンパにいっちゃうことがあるんです、大人はあんまりならないんですけどね、と言われて、いい大人なので少し恥ずかしかった。

細菌の検査をして、一週間後に結果が出るから申し訳ないんですがまた来てください、と言われた。クッション言葉を使える医師は好感が持てると思った。

だだし、すっかり良くなって、お仕事が忙しいようだったら、いらっしゃらなくても大丈夫です。とのことだった。一週間もしたらすっかり良くなるだろうし、もうここに来ることはないだろうな、とぼんやりと思った。すっかり良くなるという表現が気に入った。

 

調剤薬局に行った。ボブヘアの細身のおばさんと少し太った優しそうなお兄さんの二人がいる薬局だった。薬を待つ間、店内をうろうろして、ポカリとマンゴー味ののど飴とマスカット味のゼリー飲料を買った。レジ横に、ご自由にどうぞ、と書かれた容器に入った飴があるのが目に入った。ミルキーがあったので食べたかったけれど、もらうタイミングがわからなかったのと、みっともない気がして恥ずかしくて取れなかった。こういうときに図々しいおばさんなら取れるのかな、わたしが自意識過剰でプライドが高い証拠だろうか、と逡巡していたらお兄さんがビニール袋に商品と一緒に飴を3つ入れてくれた。いい人だ。抗生物質と解熱剤をもらって帰った。

 

家に着いて飴を確認したら、りんご味とぶどう味とカカオ味だった。あのお兄さんは味を選ぶセンスがいいなと思った。リビングにいた母に、怒鳴られなかったし、優しくていい先生だったよ、と報告した。

抗生物質を飲むと、喉の痛みが軽減された。ポカリを飲んで、飴を舐めながら、ベッドでゴロゴロした。普段飴を舐めないので、なんだか贅沢な気分だった。もらった飴で贅沢な気分になるとはケチな人間だ。ポカリは、飲むとなんでも病気がよくなる気がするから大好きだ。すっかり満足したので、ゼリー飲料はとっておくことにした。タブレットダークナイトライジングを観た。ダークナイトも好きだけれど、ライジングのほうが大好きだ。キャストが豪華だし、ベインがかっこいいから。アメコミで好きな悪役を3人挙げるなら、ダークナイトライジングのベインと、X-MENマグニートーと、コンスタンティンのルシファーだと思う。

 

仕事に行った。薬が切れると喉が唾を飲み込めないほど痛いし、熱もある感じがしてフラフラするし、しんどかった。

 

ヘロヘロになりながら家に帰った。マスカット味のゼリー飲料を飲んで、薬を飲んでぐったりして、3時間ほど寝た。起きたら熱がある感じがして、夕食をやっとの思いで食べた。氷枕と冷えピタと体温計と水を入れたマグカップを持って寝室に退散した。熱を測ると、38.0度だった。4月上旬にも熱が出たので、だいたい37度台と38度台の熱の感じの差がわかってきた。今まで熱が出るなんてこと年に1回くらいだったのに、異常なペースだ。

薬のおかげで、すぐに熱は下がって、測って観たら36.7度だった。眠れないので、スマホでコラムを読んだり、こうして久しぶりに日記を書いたりした。はやく治るといいな。一週間で良くならなかったら、またあの耳鼻咽喉科に行って検査結果を聞かなきゃだな、と思う。

祖父のこと

祖父は、93歳で、頑固で短気で、すぐに威張り散らす人なので、親族の皆から疎まれている。

 

裕福な家庭の長男として生まれ、大切に大切に育てられた。 数学が得意で、東京大学を受験したものの英語が苦手だったので落ち、日本大学の工学部に進学した。

 

祖父は、よく昔の話をする。学生時代は勉強の日々だったこと。戦争が始まると、文系学部の友人たちが招集され、再び会えることはなかったこと。そんなことを話しながら居所寝が気持ちいいな、とよく陽の当たる窓際で、こたつにあたりながら、座椅子に座ってうとうとする。

 

祖父は、認知症が進行している。会いに行くと、あれ?お前は今日は学校は休みか?
と繰り返し聞く。その度に、わたしはもう会社で働いてるんだよ、と説明をする。そうか、月給取りか。立派だな。うんとお金をもらえるんだろう。いいなあ。と、いつも褒めてくれる。

 

祖父は、わたしにはとても優しい。散歩していて、寒いというと、こっちへおいで、その方が寒くないだろう、と風上に立ってくれる。

コンセントを差し込むときは、必ず右手で差しなさい、という。もしも身体に電気が流れたとしても、右手なら心臓に電気が流れる可能性が低くなるからなのだそうだ。いまの時代、そんなことを気にしながらコンセントを差すひとなんてあまりいないと思うけれど、祖父は真面目な顔でわたしにそう忠告する。

 

祖父は、腕時計がすきだ。わたしが腕時計をしていると、いい時計だなあ!高かったろう。15万くらいか?という。わたしが、2万くらいだよ。というと、そんなに安いわけがあるか!と驚く。そして、わたしの腕をぺしっと一回たたく。そして、その会話をすっかり忘れて、一日に三回くらいは同じ腕時計を褒めてくれる。

 

 

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祖父が建築関係の仕事をしていたときに使用していた雲形定規